投資大学理事長のピロシキです。
先週、下がりに下がり続けていた株価。
昨日はとりあえずは反発しましたね。
出典:yahooファイナンス
日経平均は¥21,344.08まで戻りました。
これは、昨日の日銀の黒田総裁の午前中の談話発表によるものが大きいと言われています。
※出典:日経オンライン
「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」
とのこと。
新たに1014億円のETF(上場投資信託)の買い入れを行ったと発表がありました。
通常の上場株式と同様に市場で売買されている。
対象となる指標は、TOPIXや日経平均株価などの国内の株式指数だけでなく、海外の株式指数や、原油や金といった商品価格などさまざまな指標が対象となる。
では、この日銀が行った金融市場調節や資産買い入れとはどのようなものなのかを改めて解説していきましょう。
日銀の金融政策は既に限界?
日銀による金融市場調節には、市場の状況により、金利の引き上げ・引き下げや、買いオペ・売りオペなどの公開市場操作(オペレーション)などなど、たくさんの手段があります。
あまりお金が出回っていない現在の日本市場では、日銀による金利の引き下げやETFの買い付けなどが行われています。
このうち、金利の引き下げについては皆様も既にご存知のように2016年より「マイナス金利」が導入されているので、正直これ以上の金融緩和の余地はあまりないのです・・・
もっとマイナスに深掘りされる可能性はあるかもしれませんがね。
今回の記事で解説していきたいのがETFの買い付けについてです。
日銀によるETFの買い付けは年々増え続けている
日銀によるETFの買い付けは2010年の12月にスタートし、当初は小規模なものでしたが年々増え続けて、2018年には6兆円を超えるほどに・・・
2018年までのものですが、わかりやすいグラフを見つけたので載せておきますね。
※出典:文春オンライン
昨年2019年は額は下がったものの4.3兆円を買い付け、累計額も28兆円以上です。
日銀は購入したETFを売却していないままだと言われています。
ETFは東京証券取引所に上場している銘柄で構成されているため、ETFを購入することで、それぞれの構成銘柄(企業)の株主になることになり、現在では日銀が上場企業の5割で大株主となることに・・・
これにより、通常であれば業績が悪く今後の成長も期待できずに株価が下がり続けている企業の株まで日銀が保有している状態になります。
これは、日銀がかなりの影響を日本の株式市場に与えている、異常な状態です。
国が高らかに「景気は回復している!アベノミクスの効果は絶大だ!」というわりに、一般の我々があまり景気の良さを感じることが出来ないのは、このような日銀による多額の買い支えが背景にあることも忘れてはいけません。
既に異次元の金融緩和と言われていて、「もうこれ以上のETFの買い付けは不可能なのではないか?」
と言われていた中でのこの黒田談話の発表で、一旦は市場に好感を持たれ、日中かなりの反発を見せたものの後場での下げは日銀の限界を見越しての事かもしれません・・・
このように、日銀の市場への介入が更に増すことになったのはもちろん一連の新型コロナウイルスの影響などによる日本の景気後退を防ぐためではあるのですが、逆にいえば現在の日本の株価は日銀の介入があるからこそで、実態の株価とは大きくかけ離れていると言わざるを得ません。
このようなことを頭に入れておきながら、日々のニュースに目を通すと、今までとは全く違う発見が出来るかもしれませんよ。

NY株は一足先に過去最大の上げ幅1293ドルで終えましたが本日の日本はどうなりますかね・・・
NY株急反発、1293ドル高 上げ幅過去最大、協調利下げ期待|時事通信
先行きを見守りましょうね。
投資大学理事長 ピロシキ

投資大学は2020年に創設しました。
当サイト「投資大学のブログ」では、「理事長ピロシキ」と「学長ちょげちょげ」が共同運営しながら、これまでの投資や資産運用の経験を活かし、普通の学校では決して学ぶことの出来ない
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